あ。


二人はまるで光と影。

光が強くなるほど、影もまた強くなる。





2018年夏。

東西で大きな事変が起こる。

関ジャニのライブツアーが始まって、実質的に渋谷さんがグループから脱退した。

時を同じくしてこの頃、我々の知らないところでタッキーが引退を決めていた。



ジュニア全盛期、

東のタッキー、西のすばる

と掲げられ、崇め奉られた二つの巨頭が一気に姿を消すステップを踏んだのだ。

二人の退所と引退の日が同日なのは何のアイロニーだろうか。




一旦整理しよう。

渋谷さんが退所を発表したのは2018年の4月。

今後のスケジュールも一斉に発表された。

一方、タッキーは夏ごろまで一切考えていなかったという。(もちろん、元よりいつかは制作側に回る意思があったことは承知している)

あくまで情弱ヲタクの予測にすぎないが、渋谷さんの脱退を受けて、タッキーは思うことがあったのではないだろうか。(無論、翼くんの病状の件もあっただろう)

一緒にやってきた仲間のおおきな決断を前に自身の人生について考え直してみたのではないか。

そんな切っても切れない二人の糸を信じてみたいヲタクであった。





年末、毎年楽しみにしていたジャニーズカウントダウンではタッキー&翼が限定復活し、8時だJの特番も組まれた。

間違いなく同じ時を過ごし、同じくジャニーズを引っ張ってきた二人。

ジュニア時代、世間に向けて派手に活躍したのはタッキー。

しかし、デビュー後その役割を担ったのは渋谷さんの方だと第三者の目からもわかるだろう。

しかし、こうして人生の第何幕か目を閉じる時、東西のジュニア神が消えるときは、やはりタッキーが表舞台に立ち、渋谷さんが静かに去るのだ。

これは、二人の未来・行き先の問題ではない。

二人の関係性の問題なのだ。


明暗を分ける。

どこまでもスポットライトに当たり続けるのがタッキーで、闇落ちしていくのが渋谷さんなのだ。それで良い、それが良いのだ。

タッキーの話題がなかったら、今年は渋谷さんの退所という暗い話で終わっていたかも知れないから、それを誰よりも望んでいないのは渋谷さんだから。影があるから光がある。影になりたい渋谷さんを覆うようにタッキーが光であってくれたのかもしれない。

タッキーが光り続けるからこそ、渋谷さんの影は濃くなり(同時に存在は薄くなり)、渋谷さんの影が濃くなるほどタッキーの光はさらに増すのだ。


8時だJ、カウコンともに9月に退所したタッキーの相方・翼が出演した(出演の予定だ)

おそらく、渋谷さんにも声がかかっていただろう。しかし、渋谷さんは応じなかった。タッキーへのたむけであり、エイトへのケジメだったと思う。

本当に正反対な二人。

だからこそ、どちらも輝き続ける。




新たな一歩を踏み出す機会をくれた渋谷さんに、最後の花道を「最高の形」で飾ってくれたタッキーに。互いに感謝するのだろう。次の人生は「俺のがもっと」という変わらないライバル心を抱きながら、「お前なら大丈夫だ頑張れよ」と励ましながら。





どうにも、カウコンのタキツバを見ていると渋谷さんのことばかり思い出されて泣いてしまった。

感動のフィナーレ、忘れないで。



青春だった。

大好きだった。

彼がいたから救われた。

これからも、その歴史は変わらないから。

私が崇めたあなたのままで生きてほしい。

そしていつか、また、最高の形で出会えたらいいな……